今回は逆に、出走馬の成績から見て、過去にそういった勝ち馬がいたのか検証して見ます。
アサクサキングス 3戦連続着外
→87年勝ち馬メジロデュレン、89年勝ち馬イナリワン、90年勝ち馬オグリキャップ、92年勝ち馬メジロパーマー、97年勝ち馬シルクジャスティス、98年勝ち馬グラスワンダーは2戦連続着外。netkeiba.comで確認できる84年までの勝ち馬全てで該当馬なし。中山グランプリの名称だった第1回までさかのぼっても該当馬なし。今回勝てば、おそらく史上初。
アドマイヤモナーク 2戦連続2桁着順
→92年勝ち馬メジロパーマーは1走前天皇賞(秋)が17着、2走前京都大賞典が9着。ギリギリだが2戦連続2桁着順ではなかった。69年勝ち馬スピードシンボリは海外で2戦連続2桁着順、今回アドマイヤモナークが勝てばそれ以来。国内限定なら、第1回までさかのぼっても該当馬はなし。
有馬記念以前のスピードシンボリの国内戦はアルゼンチン共和国杯2着で、それより前には、GⅠ級(格付け制が始まる以前)レースの天皇賞(春)を勝っている。GⅠ級のレースの勝ち星のない馬が、2戦連続2桁着順で有馬記念を制した例はない。
アルナスライン 重賞勝ち星なし
→91年勝ち馬ダイユウサクはGⅢ金杯(西)の勝ち鞍があった。重賞勝ち星のない馬の有馬記念制覇は83年リードホーユーにまでさかのぼる。ちなみにリードホーユーは5着以下に負けたことはない。アルナスラインは5着以下4回。他には、73年勝ち馬ストロングエイトも有馬記念が初重賞制覇だった。ストロングエイトは、直近のGⅠ級レース(前走)天皇賞(秋)4着。アルナスラインは前走目黒記念3着、直近のGⅠ宝塚記念は10着。
エアシェイディ 4戦連続着外
→アサクサキングスに同じ。
エアジパング GⅠレース初出走
→GⅠ(級)のレース初出走で有馬記念を勝った馬はいない。
ちなみに、勝ったことが悪いというわけでは、もちろんないが、ステイヤーズSを勝って有馬記念を勝った馬はいない。今回勝てば史上初。
フレンチデュピティ 休養明け半年振り
→半年以上の休養明けで有馬記念を制覇は93年トウカイテイオーまでさかのぼり、テイオー以外に該当馬はなし。有馬記念を制するまでの成績を比較するべくもないが、フレンチデュピティはGⅠ1勝、テイオーは3勝。フレンチデュピティはGⅠで1番人気になったことがなく、テイオーはそれまでにGⅠでの1番人気5回で言うまでもなく最強クラスと思われていた馬。
カワカミプリンセス GⅠ勝ち星は牝馬限定戦のみ
→牝馬の勝ち馬自体が71年勝ち馬トウメイまでさかのぼる。他に牝馬の勝ち馬は60年スターロッチ、59年ガーネットがいる。トウメイ、ガーネットは直近の天皇賞(秋)を制している。牝馬限定のGⅠ(級)のレースしか制していなかったのは優駿牝馬を制していたスターロッチのみ。
昨年ダイワスカーレットが2着しているように、牝馬であるということだけで軽視はできなし、GⅠ勝ちのない牡馬よりも下に置く必要もないが。
ココナッツパンチ 条件馬
→アルナスラインのところで述べたように、初重賞が有馬記念だった馬は83年リードホーユー、73年ストロングエイトいるが、いずれも年内にGⅡ2着があり、当時のルールは分からないが、おそらく条件馬ではなかったと思われる。ココナツッツパンチは前走が条件戦でもあり、有馬記念勝ち馬で、前走が条件戦だった馬はいない。
コスモバルク 5戦連続着外
→アサクサキングス、エアシェイディに同じ。
スクリーンヒーロー 特にない
→特にないし、こじつけであるのは承知の上で書くが、ジャパンカップを9番人気、単勝40倍台で勝つ、というのはかなり特異なことのように思う。JCを人気薄で勝った馬と言えば初の84年JC勝ち馬カツラギエース(単勝10番人気、4060円)だが、その年のカツラギエースの有馬記念の成績は、シンボリルドルフの2着と好走している。人気薄で勝ったからといってフロック視する必要はなさそうだ。
ダイワスカーレット 特になし
→ 牝馬限定戦しかGⅠ勝ち星がない点はカワカミプリンセスと同じだが、こちらは前年の2着馬で、前走天皇賞(秋)も2着。連対率100%で、同列には扱えないのは明らか。牝馬限定戦しかGⅠは勝っていないことだけをもって、軽視するのは、明らかにこじつけだし、危険でもある。
トウショウシロッコ 重賞勝ち星なし
→アルナスラインと同じ。出走すれば連闘になるが、65年シンザンがOP(2着)からの連闘で有馬記念を制している。
ドリームジャーニー GⅠでは2戦連続2桁着順
→07年の勝ち馬マツリダゴッホが該当。マツリダゴッホは、前走天皇賞(秋)が15着、4走前天皇賞(春)が10着。マツリダゴッホは抜群の中山巧者なので、東京と京都のGⅠは度外視してもいいのかもしれない。ドリームジャーニーも中山は4戦2勝3着1回なので、例外としていいのかもしれない。
他には、69年勝ち馬スピードシンボリが海外で、KJ&QエリザベスS5着→ドーヴィル大賞10着→凱旋門賞着外(11着以下)で有馬記念1着。海外戦からの参戦であるし、当時のドーヴィル大賞がGⅠかどうか分からない。その前の国内GⅠ(級)のレースは前年の有馬記念3着。
ネヴァブション 1年以上勝ち星なし
05年勝ち馬ハーツクライ、98年勝ち馬グラスワンダー、93年トウカイテイオー、87年メジロデュレン、79年グリーングラス、が該当。しかし、ハーツはその年GⅠ2着2回、グラスワンダー、メジロデュレン、テイオーもすでにGⅠ勝ちの経験があった。グリーングラスはその年の宝塚記念を3着で、過去にGⅠ2勝していた。
1年以上勝ち星がない馬で、過去にGⅠ連対実績のない馬が有馬記念を勝った例はない。
フリートアドミラル 出走歴はダートのみ
→わざわざ調べていないが、ダートしか走ったことのない馬がいきなり有馬記念で勝った例はないはずである。ちなみに、芝初出走ではないが、ダートから久々に有馬記念を使ってきた馬ではアドマイヤドンが7着だった。出走レースの大半がダート戦だったという意味では、地方から転入した82年勝ち馬ヒカリデュールがいる。どちらにせよ、それまでの実績は、フリートアドミラルをはるかに上回っている。
フリートアドミラルは重賞にすら出走歴がなく、アルナスライン、エアジパング、トウショウシロッコの条件も、当然、当てはまる。
フローテーション 1年以上勝ち星なし
→ネヴァブションと同じ。1年以上勝っていないという点では、ネヴァブションと同じであるが、こちらは菊花賞、ステイヤーズSと連続2着しており、同列には論じられない。菊花賞、ステイヤーズS連続2着した馬と言えばテイエムオペラオーだが、有馬記念はグラスワンダー、スペシャルウィークに続く3着。これを好走と見るかは?もちろん、すでにGⅠ勝ちがあり、どんなレースでも安定した成績を残していたテイエムオペラオーと比べるべくもないが、データ的には不気味さが漂う。
ベンチャーナイン 4戦連続着外
→アサクサキングス、エアシェイディ、コスモバルクと同じ。
ベンチャーナインは、現在2勝。2勝馬が有馬記念を勝った例は、83年勝ち馬のリードホーユーがいる。リードホーユーは8戦して5着以下がないという安定した馬だった。
その他、89年勝ち馬イナリワンは、中央のみでは2勝(天皇賞・春、宝塚記念)、82年勝ち馬ヒカリデュールも、中央のみでは1勝(朝日チャレンジC・現GⅢ)という成績。加えて、天皇賞(秋)2着もあった。どちらも地方から転入してきた馬だった。
勝ち星の数よりも、中身が問題と言えそうだ。
マツリダゴッホ 特になし
→昨年の勝ち馬で、今年も中山に限っては2戦2勝。これと言って悪い材料はない。
今年勝つことができれば連覇となるが、これまでに有馬記念を連覇した馬は、68年、69年のスピードシンボリ、84年、85年のシンボリルドルフ、98年、99年のグラスワンダー、01年、02年のシンボリクリスエス。4頭中3頭が冠名シンボリという偶然。
連覇ではないが、有馬記念を2度勝った馬としては、88年、90年のオグリキャップがいる。
5頭とも有馬記念以外にGⅠ勝ち星があり、マツリダゴッホにはないのだが、中山で異様に強いのは周知のとおりなので、それをマイナス要素とするのは重箱の隅をつつくようなものだろう。というか、昨年勝ったことがプラス要素にこそなれ、マイナス要素になることなどあるはずがない。
有馬記念が初GⅠ制覇だったのはオグリキャップと共通。
ミュージックホーク 14戦連続着外
→アサクサキングス、エアシェイディ、コスモバルク、ベンチャーナインと同じ。ただし、ミュージックホークは、これらの馬と比較にならないほど成績が悪い。
メイショウサムソン 有馬記念2年連続着外
→本来、重箱の隅をつつくくらい細かいデータだが、この馬の場合、有馬記念の成績だけが決まって悪く、問題視する必要はありそう。
05年勝ち馬ハーツクライは、04年は9着。03年は2歳なので出走なし。
93年勝ち馬トウカイテイオーは、92年は11着。91年は故障休養中で出走なし。
90年勝ち馬オグリキャップは、89年は5着。88年は1着。
79年勝ち馬グリーングラスは、78年は6着。77年は3着。
74年勝ち馬タニノチカラは、73年は4着。72年は出走自体がない。
69年、70年勝ち馬スピードシンボリは有馬記念に計5回出走。順に、3、4、3、1、1着。
67年勝ち馬のカブトシローは、66年は2着。65年は出走せず。
62年勝ち馬オンスロートは、61年は3着。60年は中央転厩前で出走なし。
58年勝ち馬オンンワードゼアは、57年は2着。56年は旧齢3歳(現2歳)なので出走なし。
57年勝ち馬ハクチカラは、56年は5着(中山グランプリ)。55年は旧齢3歳(現2歳)なので出走なし。
見逃しはあるかもしれないが、連覇した馬(すでに3回出走してスピードシンボリ除く)と、勝った次の年に負けた馬以外で、有馬記念に複数回出走した馬はこれで全て。意外に少ない。2年連続で着外の後、3年目に勝った馬はいない。数えていないが、2年連続着外で出走してくるケース自体が少ないのかもしれない。
上に書いたことを踏まえて考えると、特に勝ちそうな馬は、スクリーンヒロー、ダイワスカーレット、マツリダゴッホ。これに次ぐのがドリームジャーニーとメイショウサムソン。中山巧者として付け加えるなら、エアジパング。テイエムオペラオーと同じローテでなんとなく不気味さ漂うフローテーションといったところでしょうか。
いろいろ書いてきましたが、データはあくまでデータであって、過去の傾向は分かっても未来のことは分かりません。それに、今回の分析では、過去の勝ち馬のみを対象にしており、2、3着馬に関しては分析していません。
また、問題の設定自体が適切かどうかも分かりません。例えば、3戦連続着外の馬が過去にどれだけ出走してきているのか、2戦連続2桁着順の馬の数は?。重賞勝ちがない馬で有馬記念に出走してきた馬がどれだけいるのか、例えば、アルナスラインは過去に有馬記念に出走してきた重賞未勝利馬の中でもかなり強い馬のはずで、もしかしたら、過去に出走した重賞未勝利馬の中でもっとも強い可能性もあります。
休養明け半年で有馬記念に出てくる馬もそう多くはないはずです。その中で、その年の宝塚記念勝ちに匹敵する成績を残して参戦してくる馬もそうはいなかったでしょう。
ダートしか走ったことがない馬が有馬記念に出走してくることは滅多にないでしょう。考えてみれば、フリートアドミラルは、9戦5勝3着1回ですから、OP勝ちこそまだないとはいえ、立派なものです。
1年以上勝っていない馬で、有馬記念に出てくる馬は比較的多いかもしれませんが、前年の有馬記念馬を重賞で破った経験のある馬はそうはいないでしょうし、GⅠ、GⅡで連続連対中の馬も珍しい存在でしょう。
条件馬のココナッツパンチにしても、3歳時の目黒記念で前年の有馬記念2着馬相手にタイム差なしの2着。これだけの成績を残している条件馬が、有馬記念に出走してくることなど、実現すれば、おそらく初めてではないでしょうか。
という訳で、散々、データ分析した挙句(あげく)ですが、私は、予想する上でデータはほとんど気にしません。だいたい、過去に起こらなかったから、今回も起こらなと考えるのは面白くない。過去には起こらなかったことが、今回は起こるかもしれないと考える方が、よほど夢があって面白いと思います。その方が、当たった時の配当も大きいだろうし。
それでは皆さん。有馬記念でよい夢を!私の予想は、後ほど。
*なお、上記のデータを作成するにあたっては、「netkeiba.com」様
(http://www.netkeiba.com/?acc_param=top)、「優駿達の蹄跡」様(http://csx.jp/~ahonoora/index.html)を参考にしました。
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