09年新種牡馬の成功を予想する④
③からの続き。
アドマイヤマックス
主な勝鞍高松宮記念
繁用地ブリーダーズSS
父サンデーサイレンス
クロスになりやすい血 4代ヘイルトゥリーズン、ノーザンダンサー
GⅠ勝鞍は高松宮記念のみ。デビュー2連勝で東スポ杯2歳Sを制し、将来を嘱望されたが、その後は善戦すれど勝ちきれずという場面が続いた。6歳時にようやく初GⅠ制覇。2歳時から活躍した良血馬にとっては遅すぎた栄光だったかもしれない。デュランダルと同じく、スプリントGⅠを勝ったSS直仔としては初の種牡馬入り。今後の動向が注目される。
名門ファンシミン系にしてサンデーサイレンス産駒。いとこにはラインクラフトがいる。SS直仔の種牡馬があふれかえる中、比較的地味な競争成績、直仔から3代目にノーザンテースト、4代目にノーザンダンサーが入る、付けにくさを考えると、大きな活躍は望み辛い。
主な産駒
特になし
社台F1頭 ノーザンF1頭社台計2頭全体51頭 社台率3.9%
(注意 ①の記事の表の生産頭数と食い違いがありますが、こちらはnetkeiba.comを参照しています。)
社台の名門牝系出身ながら、社台系列の生産馬は2頭だけ。なぜかコスモビューFが3頭、ビッグレッドF生産馬が13頭もいる。BRF系列の生産馬の比率は全体の31%。その他、アドマイヤの馬主の近藤利一氏に生産馬を提供していることで知られる辻牧場の生産馬も2頭おり、馬主も近藤利一氏になっている。このあたりの馬が活躍すれば、アドマイヤマックスの種牡馬としての成功にも望みが出てくるかもしれない。
マイネルセレクト
主な勝鞍JBCスプリント
繁用地ビッグレッドF
父フォーティーナイナー
クロスになりやすい血 3代ミスタープロスペクター
5代リボー、ノーザンダンサー
GⅠ勝ちは地方交流GⅠのJBCスプリントのみ。はっきり言って地味である。血統的には、フォーティーナイナーの直仔であり、後継種牡馬として期待されるところ。母系は、イットー~ハギノトップレディとつながる、今はなつかしの華麗なる一族である。
この程度の競争成績では、集まる牝馬の質もたかがしれており、クラシックで活躍するような大成功は難しいだろう。ダートや短距離で地味に活躍する馬が多く出るかもしれない。成功は繁用先のビッグレッドFがどれだけ力を入れるかにかかっている。
社台系の生産牧場の生産馬はなし。
ビッグレッドF系列生産牧場の生産馬はなし。
繁用先のビッグレッドFでさえ1頭も生産していないようなので、力を入れているとは言いがたい。ほぼ、日高の中小牧場の生産馬だと思われる。中央入厩の馬も何頭かいるようだが、基本的に地方馬生産用の種牡馬になっていくのかもしれない。競争成績からすれば、それが自然であるし、ダートの短距離で大活躍した馬だから、地方競馬での需要は高そうである。数年後に地方のリーディングサイヤーを獲っていたら面白い。
アドマイヤドン
主な勝鞍フェブラリーS、朝日杯FS、JBCクラシック(3回)、南部杯、帝王賞
繁用地社台SS
父ティンバーカントリー
クロスになりやすい血 4代ミスタープロスペクター、ノーザンダンサー
5代バックパサー、トムフール
ダート戦を中心に日本タイ記録であるGⅠ7勝をあげた。確実に一時代を築いた名馬であるといえるだろう。
繁用地は日本の生産の中心地社台SS。
父ティンバーカントリーの後継種牡馬にして、母は名牝ベガ。兄はダービー馬にして名種牡馬となったアドマイヤベガ、セントライト記念を勝ったアドマイヤボス、弟は現役OP馬のキャプテンベガと、説明不要の良血馬である。
良血ぶりとGⅠ7勝という派手さ、一方、活躍の舞台が主にダートだったということから、人気種牡馬になるかどうかやや微妙だと思っていた。初年度産駒数を見る限り、やはり微妙な感じだ。
主な産駒
特になし
ノーザンF4頭 計4頭全体46頭 社台率8.7%
(注意 ①の記事の表の生産頭数と食い違いがありますが、こちらはnetkeiba.comを参照しています。)
ゼンノロブロイ、デュランダルに比べると、社台が力を入れているとは言いがたい。
血統的にSS牝馬につけられるはずだが、初年度産駒に母父SSはなし。母とSSとの相性の良さを考えても、是非試してもらいたい配合である。
やはり日本のダートしか勝っていない種牡馬は、地味な存在になるようである。それが、超良血のGⅠ日本記録保持馬であっても、あのアドマイヤドンであってもそうなのだ、そういうことなんだろうと思う。
結論としては、種牡馬として成功するのは難しいだろう。
ザッツザプレンティ
主な勝鞍菊花賞
父ダンスインザダーク
繁用地レックススタッド
クロスになりやすい血 4代ミスタープロスペクター
5代ヘイルトゥリーズン、ノーザンダンサー、バックパサー
菊花賞勝ち馬だが、衆目の一致する世代最強馬はキングカメハメハだった。GⅠ勝ち馬だが、実力的に最強クラスとは言い難い。
父はダンスインザダーク。SSの孫の世代の種牡馬としては、先に引退したツルマルボーイとともに貴重な存在。のはずなのだが、お世辞にも優遇されているとは言い難い。ツルマルボーイの産駒もほとんどが地方入りしているようだ。
種牡馬としての人気が期待し辛い長距離GⅠのみの勝ち馬、SS系種牡馬があふれかえる現状を見ると、特に強調材料は見つけにくい。
主な産駒
フローラルマジックの2007 生産者武田牧場 兄にナリタトップロード(父サッカーボーイ)
社台F2頭 社台計2頭全体39頭 社台率5.1%
(注意 ①の記事の表の生産頭数と食い違いがありますが、こちらはnetkeiba.comを参照しています。)
シックスセンス
主な勝鞍京都記念、皐月賞2着、ダービー3着
父サンデーサイレンス
繁用地レックススタッド
クロスになりやすい血 4代ヘイルトゥリーズン
5代ノーザンダンサー
GⅠ成績は皐月賞2着、ダービー3着だが、勝ち馬はあのディープインパクト。さらに香港で、当時、世界最強牝馬と目されたウィジャボードの2着がある。最強の1勝馬(最終的には2勝)などと呼ばれ、GⅠ勝ちがないことに比して、実力を高く評価された馬であると言っていいだろう。
父はSS。SS系種牡馬があふれかえる現状で、競争成績がこの程度では、やはり苦戦は必至だろう。
主な産駒
特になし
社台F2頭 追分F1頭 社台計3頭全体32頭 社台率9.4%
(注意 ①の記事の表の生産頭数と食い違いがありますが、こちらはnetkeiba.comを参照しています。)
サンライズペガサス
主な勝鞍大阪杯(2回)、毎日王冠
父サンデーサイレンス
繁用地アロースタッド
クロスになりやすい血 4代ヘイルトゥリーズン
5代レイズアネイティヴ
6代リボー
GⅠ勝ちはなかったが、大阪杯でハーツクライ、エアシャカールに、毎日王冠でテレグノシスに快勝、秋の天皇賞でシンボリクリスエスに0.1秒差3着など、能力はGⅠクラスに近いものがあった。また、不治の病と言われる屈腱炎を克服して重賞を勝ち、改めてその潜在能力の高さをうかがわせた。お尻の筋肉がパンとはった見栄えのする栗毛の馬体、白いソックスは今でも印象に残っている。
父SS。SS系種牡馬があふれかえる現状、この程度の競争成績では、正直言って、厳しいだろう。
白老F1頭 社台計1頭全体18頭 社台率5.6%
(注意 ①の記事の表の生産頭数と食い違いがありますが、こちらはnetkeiba.comを参照しています。)
カルストンライトオ
主な勝鞍スプリンターズS
父ウォーニング
繁用地レックススタッド
クロスになりやすい血 5代ヘイルトゥリーズン、レイズアネイティヴ、レッドゴッド、ネイティヴダンサー
6代トムフール
GⅠ勝ちは不良馬場を利して逃げ切ったスプリンターズS。しかし、それよりもアイビスSDを上がり31.9秒で逃げ切った快速馬というイメージが濃い。
父の産駒は、他に、サニングデール、ディクタット、アヌスミラビリス、タニノマティーニなど。
近親クロスになりそうな血が少なく、付けやすい種牡馬である。しかしながら、配合相手の量、質ともに恵まれているとは言い難い。
主な産駒
特になし
社台系の生産牧場の生産馬はなし。
14頭中7頭の母の冠名がカルストン。おそらく、自家生産馬なのだろう。馬主や生産者の思い入れで、種牡馬を続けていく馬になりそうだ。
ダイタクバートラム
主な勝鞍ステイヤーズS、阪神大賞典
父ダンスインザダーク
繁用地日高スタリオン
クロスになりやすい血 4代テスコボーイ
5代ヘイルトゥリーズン、ノーザンダンサー
6代レイズアネイティヴ、ハイペリオン、ナスルーラ、フェアウェイ
主な勝鞍は、ステイヤーズS、阪神大賞典で、他には北九州記念を勝っている。この程度では強調材料に乏しい。春の天皇賞でヒシミラクルに0.1秒差の3着もあるが、仮に勝っていたとしても、人気種牡馬とはいかなかっただろう。
父はダンスインザダーク。SS系種牡馬があふれかえる現状、他のダンス産駒の種牡馬同様に苦戦は間違いない。
日本に根付いた在来系統を母系に持つ。血統は興味深い。
主な産駒
特になし
社台系の生産牧場の生産馬はなし。
ヒシミラクル
主な勝鞍菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念
父サッカーボーイ
繁用地レックススタッド
クロスになりやすい血 5代ファイントップ、ノーザンダンサー、プリンスリーギフト、グレイソヴリン
6代ネヴァーベンド、ボールドルーラー、ヒンドスタン
GⅠ3勝馬。菊花賞、春の天皇賞は相手が弱かったことは否めない。しかし、宝塚記念は、後の安田記念勝ち馬ツルマルボーイ、後のジャパンC馬タップダンスシチー、当時3歳の2冠馬で現有力種牡馬のネオユニヴァース、そして当時最強と思われたシンボリクリスエスを破ってのものだけに評価されていい。GⅠ3勝は、十分、最強馬と呼ぶに値するものだと思う。
父サッカーボーイの貴重な後継種牡馬。しかしながら、配合相手に恵まれているとは言い難い。
近い世代にクロスになりやすい血がなく、非常に付け易い種牡馬。
主な産駒
特になし
社台系の生産牧場の生産馬はなし。
母父SSの産駒はなし。
10頭中母の冠名「ヒシ」が4頭。この馬もまた、関係者の思い入れで種牡馬を続けていく馬になるのだろう。
結論。
新種牡馬の産駒は社台SS、が例年の定石だ。しかし、今年は、目玉となるはずのゼンノロブロイ、デュランダルがどちらも十分なバックアップを受けているとは言い難い。逆に、ビッグレッドFのロージズインメイは、所属牧場からのすさまじいまでの手厚いバックアップを受けており、社台F、ノーザンFもある程度支援していると思われる。今年は、ロージズインメイがファーストクロップサイアーランキング1位を獲得する可能性がかなり高いのではないだろうか。
レースの予想風に印を付けてみた。
◎ロージズインメイ
○ゼンノロブロイ
▲デュランダル
△アルカセット
△スロラヴィンスキー
注バゴ
09年新種牡馬の成功を予想する 完

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